
『さんまいのおふだ』というお話を知っていますか?
お寺の小僧が栗拾いに山へ行き、そこで親切な老婆に遭遇し一晩泊めてもらいますが、夜中に親切な老婆が豹変し山姥となり、小僧を食べようと包丁を持って追いかけてきます。お札を投げて魔法のように大きな川を出したり、山を出したりしてピンチを切りぬけるアクション系の昔話です。
以前この話を思い出したのはいつかというと、友人が通勤電車でストーカー的な同僚に会ってしまうのが嫌で、車両を変えたのにまた会ってしまうという苦情を聞いた時です。車両を越えて追いかけてくる同僚がこの『さんまいのおふだ』の山姥と重なり、他人事ながら、さんまいのお札があったらいいのにねぇ、と慰めたものです。
子供ができてからまた思い出し、松谷みよこ先生のお話で一緒に読んでみました。この昔ばなしは絵本でも何冊か出ていますが、リズム感がすんなり入ってくる文章の松谷先生のが一番好きです。

よなか、あめのおとに こぞっこは めをさました。
すると あまだれが うたっている。
こぞっこ あぶねや てんてんてん
こぞっこ あぶねや てんてんてん
こぞっこは きみわるくなって、
そっと となりのへやを のぞいたと。
すると ひるまのばあさまが、にかにか わらいながら、
ほうちょうを といでいた。
こぞっこ うまかろ にっかにか
こぞっこ うまかろ にっかにか
「や、やまんばだ……」
このくだり、まんが日本昔ばなしで育った世代としては、個人的には市原悦子さんの声でぜひ聞きたかったです。心よりご冥福申し上げます。
脳内では市原悦子節で読みました。印象的だったのでしょう、一緒に読んだ小1の我が娘も時折「やまんばが、にかにかして包丁をといでたんだよね」などと突然思い出して言ったりします。
ついこの前の朝、今日の学校の行事を確認すると歯科検診で、たまたま気持ちに余裕のあったその日は次に使うときのために包丁を研ぎながら
「今日は歯科健診があるよ」と声掛けをして、不覚にもにかにかしてしまったのでした。まさかの自分もにかにかと包丁を研ぐ日がくるとは……。
とは言え初めての歯科健診、『さんまいのおふだ』と結びつき、怖いものになっていなければと帰ってからどうだったか結果を聞くと
「うん、Aが多かったー。AとかBってなあに?(ローラ風)」との答えでした。
そんなことで、包丁を研ぐ度に『さんまいのおふだ』を思い出し、にかにかしてしまうのでした。
経験値からも歯は健康な身体にとって重要。今のところ虫歯なしでほっとしています。


コメント